写真集HIDSBY’s Photographs

『樹木派』『アジア太平洋戦争遺跡遺品①②③④⑤⑥⑦』、さらに『田園の憂鬱』が2011年5月完結、『充電式日録』『或日或処』『東京TOKYO』と、てんこ盛り過ぎ!

「写真展~きょうからです」に書き足しましたが、本日8/21(月)15時にて無事閉会いたしました、応援・ご来場有り難うございました!3週間、ジュンク堂池袋の本に囲まれて過ごしまたまた本をいっぱい購入しました(供給過剰状態です)、金達寿、福岡伸一(ちょうど福岡氏の翻訳アンドリュー・キンブレル「生命に部分はない」を読んでいたら、ジュンク堂裏で制服を着たそっくりさんが歩いて来るではないですか・・ア本物、思わず挨拶して「愛読者です」といったらぎゃくにお礼を言われ)新書版「新版 動的平衡」買いました。しかし9階の写真集売場ではこれと思うものがなく、地方出版物コーナーで下記:金瀬ゆたか氏「浦廻り」-奪われた故郷の記録2010年現代写真研究所出版局に「廻り遇い」ました。これは副題そのままでも良いかと思いましたが凄い写真集です。わたしごときがアレコレこね回すよりも見た方が良い!それしか言えません!

浦廻り 小
スポンサーサイト

きょうのいちおし④ 三井為友『南海虜囚の詩』  

「いちおし」今年最初の本ですので、ぜひ皆さんに読んでいただきたいのですが・・・なかなか手に入らない詩集です。いまamazonを覗くと『南海虜囚の詩』は1976年著者本人版で出ているものと1981年(諏訪市)檸檬社版の二種類がありますが、いずれも「現在在庫切れです」となっています。元々の出版部数が少ないので、古書店をさがしてもなかなか見つからないようです。
前者(豪華装丁)と後者は装丁を別とすれば同じなのかというと少し違うようです。1981年版の「まえがき」によると、前者は「北ボルネオ捕虜収容所で書きとめておいた詩や感想文(を)~1976年末の誕生日の記念(の)詩集として刊行」したが(300部)、知友・戦友の要望が強く「帰国後書いた二篇と、前回省略した六篇を加え、三部に編成しなおした」のが後者1981年版だそうです(わたしが読んだのは1981年版です)。三部編成の全23の詩篇となっていますが、うち4番目の詩「自由」は豪州兵 隊内新聞に載ったT.H.サンダーズ伍長の詩を著者が訳したものです。詩と、詳細な「あとがき(詩の注記)」をもって全作品となっています、じっさい「あとがき」がなければ前後の事情が分かりません。
1944年5月に赤紙招集され、金沢から「北満」に配属も束の間、同年7月に「北ボルネオに移動し、信州初年兵600名のうち、500名が南方の露と消え」「編入された~速射砲中隊へは、信州初年兵30名が入ったが、このうち生還し得た者は4名であった」という、制海権がすでになく輸送船が次々と沈められていくなかで9月にボルネオ西部に上陸、10月にはサンダカン東のタンビサン水道を移動中に敵機に襲われ・・略・・1945年4月サンダカンから、西方の現コタキナバルまでのジャングル内の横断行軍「死の行進でたおれた者は、初期にサンダカンから護送された英軍人捕虜を含め、実に1万をこえるといわれる」。1ヶ月余の一方的に激しい弾雨にさらされる戦闘中に敗戦を迎え、捕虜収容所に入れられる。
帰国後に書いた2篇以外の20篇は、すべて「刺線無情(ばらせんつれなく)」(第一部の題名)ふるさとの想い出、少年時代、父母、戦友、そして行軍と戦闘が詠われていくがそれらは鉄条網の内側からの詩でありました。海のない信州で育った著者の詩篇「遠い遠い少年の日」の「~海は恐ろしく 声たかく 荒々しく 私の心を呑みこんだ~」海は、30代の筆者に「~襲いかかる大波と滝の雨に抗して われわれは死にもの狂いで 船底の水を搔き出した~」記憶を失いやがて「そこにあるものは黒い無限の大地と 青い無限の海だけだ」として目の前に現れます。また、詩篇「ある墓碑銘」は狂い死にしていった戦友を詠う、「ここ―南海の小島の 椰子の葉しげるところ 南沢 実―ついに眠らず」眠らずなのです。
今回の「いちおし」の詩集は、じつは高校の同級生三井さんのお父様のものです。なお、この死の行軍中に多くの豪州・英国の捕虜を死なせ、のちに「サンダカン死の行進」として豪州軍により戦争犯罪が裁かれる問題はこの詩集の主たるテーマではないようですが、同時に押さえておくべき事実ではあります。


南海虜囚の詩 小
いつも当ブログへのアクセス、誠にありがとうございます。
これまでは、4~5本/月ペースで写真をアップしてきましたが、ごらんのように11月と12月は各1本となり申し訳ありません。ひとえに、わたしの個人的な事情でこうなっております。年が明けましたら、ぼちぼちと(一気とはいかないと思いますが)元のペースに戻れるかとは思いますので、引き続きアクセスのほどよろしくお願いいたします。
今回の<きょうのいちおし>コーナーは、故有吉佐和子氏の『複合汚染』上下、『その後』の3冊を通読しましたので紹介させていただきます。本書は1974年~75年に朝日新聞朝刊に掲載された新聞小説です。刊行後すでに40年をすぎ、古典的なものになりそうですが、ここに書かれている公害の現実は、まさにわたしの若き日の体験そのままです。朝鮮戦争に伴う特需景気により息を吹き返した日本経済は、1960年の池田勇人「所得倍増計画」を打ち出し、アメリカにおもねつつ工業を中心にした経済成長を追求した。その歪みは農業と国民生活に様々な毒物(その元は戦時中の火薬であり毒ガスであった)として現出し、農民の体を蝕み土の劣化をもたらし、都市生活者にも(多くは原因不明の)病気として結果している。有吉氏は従来の小説的手法にこだわらず、この問題を鋭く指摘し、科学者や官僚たちの言葉を分かりやすく「翻訳」し啓蒙の書とした。いま2011年のFUKUSHIMAを踏まえて、「複合汚染」の現状と放射能による汚染の現状を有吉氏の手で再度書いてもらいたいものだが、氏は惜しくも本書刊行9年後に53歳で亡くなってしまった。
堅い本の紹介となりましたが・・・来年もよろしくお願いいたします、良いお年をお迎えください!
文庫、kindle版あり。

複合汚染上61w-C7X5-0L__SX345_BO1,204,203,200_

複合汚染下51Sg9aWlGbL__SX342_BO1,204,203,200_

複合汚染その後41BEVBF7DML__SX345_BO1,204,203,200_

「きょうのいちおし」は、幻の韓国大河小説『土地』(朴景利)です。ハングルを読みこなせる人には幻ではないのですが・・・原著全5部(全20巻-21かも?)、朴景利(1926-2008)が25年の歳月を費やして書いた大河小説で韓国では200万部のベストセラーとなったものですから。わたしは1983年発売の福武書店版(全8巻~最終的に原作の第1部のみとなった)を読み感動し3か4巻ぐらいまでは順調に読み進んだのですが、そのあとが出なくなり、福武の編集部になんども電話をしたものです。いつもあいまいな返事だったように記憶していますが、最終的には1986年に第8巻がでて終わりました(それが5部構成の第1部だけであったのは最近知ったのでした)。その後、講談社創立100周年記念出版として出たのが全6巻もので、2011年に1巻、2012年に6巻が出て完結しましたが、これは「青少年用」と銘打った「ダイジェスト版」だったのです。韓国の版元との関係など難しい問題があったのかも知れませんが完訳でなかったのは残念なことでした(注と解説は充実しているものの誤字誤植が多い~編集者・校正の手抜き?)。それが、昨年から完訳版目指しての翻訳が始まったという情報があって(数年かかるようですが)是非実現してほしいものです。
日清戦争直後、日本の本格的な朝鮮支配の始まりから解放(光復)までの困難な時代を、慶尚南道の平沙里の崔家とその村に暮らしていた農民たちの半世紀にわたる話です。「儒教封建社会の圧殺のなかで育まれた“沃土”を糧に、韓国の女語り部、朴景利(パクキョンニ)が壮大な民衆史を紡ぎ、民族の恨(ハン)を解く大河小説――金石範」(講談社版宣伝より)。映画、韓ドラ、そして韓国コミックスにもなって国民の支持と(おそらく)論議の的になった大小説。私事ですが、崔家のお嬢様ソヒと小作人・下人・両班たちが逃亡し暮らしている間島(カンド)と朝鮮側の町・会寧(フェリョン)との行き来が描かれていることに強く惹かれました、父母兄たちが暮らした(朝鮮支配のためですが)会寧であったのですから・・・。


土地福武8巻
1980年代にでた福武版は第一部だけだった。

講談社6巻
講談社版は、2011年に1巻が出版されたが「青少年版」。

朴景利
朴景利(娘婿は金芝河)。

名家の娘ソヒ26巻
「名家の娘ソヒ」として韓ドラ全26巻になっている。崔家の主人チス殺しの美女クニョが「だれのものでもなかった土地を崔家のものにしているのは罪ではないのか!」と絶叫する名場面(崔家の土地は歩いて見回るのに数日かかる)。

ソヒ日テレBS
日テレBSで放送された(全然知らなかった)。※じつは全26巻セットで3,850円で購入しました、きれいな品です!!

韓国コミックス15巻
東亜日報からコミックス17巻がでている(これは手に入れて読みたい)。
これまでも気まぐれに「推薦本」を紹介してきましたが(前回は昨年5月たかまつやよい『流されて八丈島』ですから1/年ペースですが)、今回からカテゴリに「きょうのいちおし」を作りました。
大正末生まれの小熊謙二(著者の父親)が、召集・従軍からシベリア抑留体験を軸に、戦前から今日に至るまでの日本社会を「都市下層の商業者」から見てどのようなものであったか?を語っています。著者の肉付け部分も新鮮な歴史認識で興味深く読みましたが、何と言っても謙二氏の発言(主として「」にくくられている)のするどさにドギマギしながら一気に読みました。すいせんです!

25186714105_847395b804_n small

プロフィール

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

Powered By FC2ブログ

ブロとも申請フォーム

QRコード

ご意見・ご感想などこちらから

カウンター