写真集HIDSBY’s Photographs

『樹木派』『アジア太平洋戦争遺跡遺品①②③④⑤』、さらに『田園の憂鬱』が2011年5月完結、『充電式日録』『或日或処』『東京TOKYO』と、てんこ盛り過ぎ!

いつも当ブログへのアクセス、誠にありがとうございます。
これまでは、4~5本/月ペースで写真をアップしてきましたが、ごらんのように11月と12月は各1本となり申し訳ありません。ひとえに、わたしの個人的な事情でこうなっております。年が明けましたら、ぼちぼちと(一気とはいかないと思いますが)元のペースに戻れるかとは思いますので、引き続きアクセスのほどよろしくお願いいたします。
今回の<きょうのいちおし>コーナーは、故有吉佐和子氏の『複合汚染』上下、『その後』の3冊を通読しましたので紹介させていただきます。本書は1974年~75年に朝日新聞朝刊に掲載された新聞小説です。刊行後すでに40年をすぎ、古典的なものになりそうですが、ここに書かれている公害の現実は、まさにわたしの若き日の体験そのままです。朝鮮戦争に伴う特需景気により息を吹き返した日本経済は、1960年の池田勇人「所得倍増計画」を打ち出し、アメリカにおもねつつ工業を中心にした経済成長を追求した。その歪みは農業と国民生活に様々な毒物(その元は戦時中の火薬であり毒ガスであった)として現出し、農民の体を蝕み土の劣化をもたらし、都市生活者にも(多くは原因不明の)病気として結果している。有吉氏は従来の小説的手法にこだわらず、この問題を鋭く指摘し、科学者や官僚たちの言葉を分かりやすく「翻訳」し啓蒙の書とした。いま2011年のFUKUSHIMAを踏まえて、「複合汚染」の現状と放射能による汚染の現状を有吉氏の手で再度書いてもらいたいものだが、氏は惜しくも本書刊行9年後に53歳で亡くなってしまった。
堅い本の紹介となりましたが・・・来年もよろしくお願いいたします、良いお年をお迎えください!
文庫、kindle版あり。

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「きょうのいちおし」は、幻の韓国大河小説『土地』(朴景利)です。ハングルを読みこなせる人には幻ではないのですが・・・原著全5部(全20巻-21かも?)、朴景利(1926-2008)が25年の歳月を費やして書いた大河小説で韓国では200万部のベストセラーとなったものですから。わたしは1983年発売の福武書店版(全8巻~最終的に原作の第1部のみとなった)を読み感動し3か4巻ぐらいまでは順調に読み進んだのですが、そのあとが出なくなり、福武の編集部になんども電話をしたものです。いつもあいまいな返事だったように記憶していますが、最終的には1986年に第8巻がでて終わりました(それが5部構成の第1部だけであったのは最近知ったのでした)。その後、講談社創立100周年記念出版として出たのが全6巻もので、2011年に1巻、2012年に6巻が出て完結しましたが、これは「青少年用」と銘打った「ダイジェスト版」だったのです。韓国の版元との関係など難しい問題があったのかも知れませんが完訳でなかったのは残念なことでした(注と解説は充実しているものの誤字誤植が多い~編集者・校正の手抜き?)。それが、昨年から完訳版目指しての翻訳が始まったという情報があって(数年かかるようですが)是非実現してほしいものです。
日清戦争直後、日本の本格的な朝鮮支配の始まりから解放(光復)までの困難な時代を、慶尚南道の平沙里の崔家とその村に暮らしていた農民たちの半世紀にわたる話です。「儒教封建社会の圧殺のなかで育まれた“沃土”を糧に、韓国の女語り部、朴景利(パクキョンニ)が壮大な民衆史を紡ぎ、民族の恨(ハン)を解く大河小説――金石範」(講談社版宣伝より)。映画、韓ドラ、そして韓国コミックスにもなって国民の支持と(おそらく)論議の的になった大小説。私事ですが、崔家のお嬢様ソヒと小作人・下人・両班たちが逃亡し暮らしている間島(カンド)と朝鮮側の町・会寧(フェリョン)との行き来が描かれていることに強く惹かれました、父母兄たちが暮らした(朝鮮支配のためですが)会寧であったのですから・・・。


土地福武8巻
1980年代にでた福武版は第一部だけだった。

講談社6巻
講談社版は、2011年に1巻が出版されたが「青少年版」。

朴景利
朴景利(娘婿は金芝河)。

名家の娘ソヒ26巻
「名家の娘ソヒ」として韓ドラ全26巻になっている。崔家の主人チス殺しの美女クニョが「だれのものでもなかった土地を崔家のものにしているのは罪ではないのか!」と絶叫する名場面(崔家の土地は歩いて見回るのに数日かかる)。

ソヒ日テレBS
日テレBSで放送された(全然知らなかった)。※じつは全26巻セットで3,850円で購入しました、きれいな品です!!

韓国コミックス15巻
東亜日報からコミックス17巻がでている(これは手に入れて読みたい)。
これまでも気まぐれに「推薦本」を紹介してきましたが(前回は昨年5月たかまつやよい『流されて八丈島』ですから1/年ペースですが)、今回からカテゴリに「きょうのいちおし」を作りました。
大正末生まれの小熊謙二(著者の父親)が、召集・従軍からシベリア抑留体験を軸に、戦前から今日に至るまでの日本社会を「都市下層の商業者」から見てどのようなものであったか?を語っています。著者の肉付け部分も新鮮な歴史認識で興味深く読みましたが、何と言っても謙二氏の発言(主として「」にくくられている)のするどさにドギマギしながら一気に読みました。すいせんです!

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